記憶を食べるグリア細胞 忘れるものと忘れないものの違いとは?

コミュニケーション

はじめに

記憶というものは必要なものだけ残していらないものは消さないといけないものです。

最近分かったのが脳がいらない記憶を食べて消してしまう細胞が見つかったと言います。

さらになかなか勉強したりしても覚えられないことがあると思います。改善方法があるのでそこにも注目してください。

記憶と忘却のメカニズム。さらに良い記憶法を見ていきましょう。

脳の記憶量は?

記憶というのは主に大脳皮質という場所に蓄えられます。

そこには少なく見積もって約140億個の神経細胞がそれぞれ約1万個のシナプスで繋がっていると言います。そこでネットワークを作るのです。これが記憶の本体になります。

140億×1万=記憶容量(情報が保持できることになります。)計算は省略しますが答え=17.5テラバイト。

脳は半年以下の記憶しか蓄えられないのです。全部覚えることはできないので、いらない記憶を排除します。限りある脳の容量ですがそこで記憶を選別する仕組みがあると言われています。

記憶を選別する仕組みとは?

脳が記憶をするときは外から入ってきた視覚・聴覚情報を「海馬」という場所に蓄えれます。

海馬=短期記憶を保持する役割があります。数分〜1日2日で消えてしまうものです。

大脳皮質=長期記憶を保持する役割があります。長い間残さなければいけない長期記憶を残すには海馬から大脳皮質の方に移し替えると言われています。

海馬が仕分けをしてくれています。記憶の固定化とは睡眠中その日の記憶昔の記憶を比較し長期記憶に保存し直すことを言います。

一夜漬けの記憶は睡眠を取らないので記憶は消えてしまうのです。

海馬は起きていた時に活動したパターンを高速に圧縮して寝ている時に何回も何回も生成しているという分かっています。それをやることが覚えるのに必要な作業です。記憶を寝ている時に再生するのでそれが繰り返されることで夢を見ると言われています。

自分達が見て、聞いて、感じたことを海馬に溜め込みます。そこで過去の記憶と照らし合わせて必要なものだけを大脳皮質に長期保存しています。その移し替え作業は睡眠中圧縮した記憶を何回も再生することで行われておりその時に見るのが夢と言われているのです。

長期記憶には3種類のものがある

  • 経験や出来事など個人の思い出「エピソード記憶」

ストーリーとして刻まれ記憶に残りやすい。歴史の授業などの歴史の人物は覚えにくいですが、映画や小説などストーリーだと覚えやすいというのが例に挙げられます。

  • 自転車の乗り方など体で覚えた「手続き記憶」

  • 言葉の意味や数式など「意味記憶」

好きな人や好きなアイドルの名前だったり、好きな漫画の名前など感情が伴うと覚えられる。

必要な情報とは自分や子孫が生き残るための情報になります。喜怒哀楽や感情などが動いた情報は脳が重要と判断し記憶に残るのです。脳が重要だと認識します。人の顔や名前が覚えられないのは自分にとって必要がない情報だからです。

神経細胞とは強い刺激がくると神経伝達物質を出すのですが嬉しい情報だとドーパミンが分泌されて神経細胞が活性化されます。これが続くとシナプスが大きくなり変化します。この状態で弱い刺激が来ても強い刺激が来た時と同様に沢山の伝達物質を出す。これが記憶や学習のメカリズムであり長期増強と言われています。

感情がどれくらい動くか?というところで記憶の重みづけがされているのです。

生きるための情報として強く刻み込まれるのです。意識して引き起こした感情でも記憶は定着しやすいと言われます。

感情の起伏が少ない人は記憶力は低下すると言われます。(うつ病の人等)

損な記憶を食べる脳細胞とは?

脳の細胞が不必要な記憶を保管するシナプスを食べると言います。

ミクログリアと呼ばれていて、不必要な情報を伝えるシナプスを排除し記憶をコントロールしている細胞です。

新しい知識と古い知識を比べてどちらが得なのかを比べ、得な方を選び、生きる上で損と判断した記憶はミクログリアが食べてしまうのです。いい記憶を残す努力をミクログリアが行います。そんな情報を食べて脳の神経回路を整理してくれます。

ミクログリアの機能を低下させたマウスを使い実験したところ、ストレスにうまく対処ができず自分の毛をむしるなどの自傷行為が見られたそうです。

いる記憶といらない記憶をどう分けられているのかは詳しいことは分かっていないとのことですが、いる記憶にはドーパミンやグルタミン酸が放出されていて、いらない記憶にはそれ以外に不純物や細胞のゴミが混ざっている、それを認識してミクログリアが食べると言われています。

ミクログリアは良い記憶だけを残そうと努力しているわけです。

辛い記憶は神経にストレスがかかります。悪いシナプスをミクログリアが食べることにより辛い記憶を軽減させる働きがあります。本能的に昔を美化し、今まで残ってきた記憶はこういうことから勝ち残ってきた物です。それが人格や性格、経験によって蓄積された自分に取って大事な脳の中に情報が残っている。

このことをマインドセット(記憶を元に形成された人格)と呼ばれております。

脳の中に仮想世界というものがあり、こういうことをやると何が起こるのか?という判断して行動する。人は皆経験が違うので、脳内の情報が異なります。なので同じことを言われても怒る人と笑っている人という性格の違いが出てくるのです。

例として道で犬に会った時、昔懐かれた経験をした人は脳でその先をシミレーションしポジティブな反応になります。一方噛みつかれた経験がある人はネガティブな反応をするようになります。こうした過去の経験を蓄積した大切な情報の記憶をマインドセットと呼び、自分達の人格や自分らしさを形成する源になります。

ミクログリアは、マインドセットの整理辛い記憶から守るという役割を持っているのです。

記憶力増大につながる行動とは?

刺激のあることや感情が動く日常を過ごすことが良く、いつもと同じルーティンを変えるのも大事になってきます。

1番刺激になるのは人との会話になります。動物でも大丈夫ですが、相手がいると応答が違います。散歩している時でも同じ道を歩くだけではなく、いつもと違う行動をとることで記憶力増大につながるのです。

海外や新しい場所に行くと脳はさらに活動しやすくなり、新たな環境での記憶は海馬の中に伝わり脳が積極的に蓄積されやすくなります。

まとめ

記憶というものはもともと忘れていくシステムになっています。

脳は半年以下の記憶しか蓄えられないので覚えられなくてもしょうがないことなのです。

本当に覚えたいことは、感情がどれくらい動くかで変わってくるので、意識して引き起こした感情というのを頭の中に入れとくと記憶に残りやすいということ。

ミクログリアについても自分に取って良い記憶だけを残そうと頑張っている細胞です。いずれ嫌な記憶は全て無くしてしまうほどミクログリアに支配されてしまうかも知れませんね。

以上、記憶を食べるグリア細胞 忘れるものと忘れないものの違いとは?を書かせてもらいました。

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