現代人の今「新型栄養失調」について

健康

キノコです。宜しくお願い致します。

今回は自分の体は自分で守る。

今の現代人では誰にでもあり得る話「新型栄養失調」について書いていこうと思います。

栄養失調と新型栄養失調の違い、原因とは

栄養失調でイメージするのは食料不足が原因で摂取カロリーや栄養素が不足し痩せ細っている、不健康状態ということだと思います。

新型栄養失調というのはそれとは異なり、摂取カロリーは足りているのにビタミンや糖質、カルシウム等の体に必要な栄養が不足している。一日3食しっかり摂取していても栄養バランスが悪い食生活が引き金となり起こってしまう現代人特有の栄養失調のことです。

痩せてもいないし、お腹も一杯なのに栄養不足。これが新型栄養失調です。現代人の健康障害です。

なぜ起きるのか

  • 若い人達に起きる多くの理由としては食事制限、ジャンクフードやカップ麺等による偏った食生活です。朝食を取らなかったり、同じような食べ物の種類と食べ方を繰り返していたりして栄養バランスが偏りがちなのです。特に女性が新型栄養失調になる人が多いという事です。ダイエット等のヘルシーな食事を続ける事で必要な栄養素が不足してしまうこともあるとか。
  • 高齢者は活動量が減る場合があり、食欲が出ないことも珍しくありません。肉や魚を多く食べず食事は麺類やお茶漬けのような食べやすい物に偏りがちです。咀嚼したり飲み込んだりする能力や消化吸収能力が衰えてしまい摂取できる栄養素が減りがちになります。
  • 特に不足しやすい栄養素はタンパク質とミネラルと言われています。

年代別の新型栄養失調

シニア世代での新型栄養失調の特徴

タンパク質とカロリーの不足により全身の筋肉量や筋力が減少する「サルコペニア」に陥りやすくなることです。噛む力が弱くなり硬い物を避けがちになりバランス良く食事を取ることが億劫になります。足腰が弱って買い物や調理が困難になるなど活動量が低下することで食欲が落ち簡単なメニューで済ませてしまいます。こうして栄養不足の悪循環に陥ると、筋肉や骨の意地が出来なくなり内臓への負担も増加。認知機能の低下との関連も指摘されています。

体重の目安として、半年前より5%程度(60kgの人は、3kg)体重が減っている場合は体脂肪ではなく「筋肉」が減っている可能性があるから要注意です。

ミドル世代での新型栄養失調の特徴

代謝が落ちるこの時期に炭水化物やスナック菓子等でカロリー過多とミネラルの不足、タンパク不足の食習慣を続けることは将来の大きなリスクを抱える要因となります。例として「メタボリック・ドミノ」がその一つでもあります。

メタボリックシンドロームに至るまでの過程を表現するのが「メタボリックドミノ」です。メタボリックドミノのはじめの1枚目が倒されると糖尿病や脳卒中、心不全などのリスクが高まります。虫歯や歯周病は図のようにメタボリックドミノのスタート地点に位置すると言われています。

そんな人がやがて高齢になると筋肉の衰えや低体力などによる内臓疾患、転倒、心不全、痴呆等のリスクが増してきてしまいます。

女性の新型栄養失調の特徴

特に20代女性の栄養失調が問題になっています。国の将来を担う世代に増える新型栄養失調が大切な家族や子孫にまで影響することが分かってきたのです。「国民健康・栄養調査結果の概要」を見てみると。

身長に対して体重が低い女性の割合の数字で、20~29歳を見てみると割合が高い上に年代を追うごとに少しずつ増えています。

若い女性が新型栄養失調となるケースの多くは、不自然なダイエットの他間食を中心とした不規則な食生活、ファストフードへの偏り、日常のストレスなどが原因と言われています。トレンドや流行りにのめり込んでしまう女性の熱さはすごいものがあります。カロリーは足りているのにタンパク質やビタミン、ミネラルが不足するケースも多いです。そして恐ろしいことに、低栄養状態の女性が母親になるとその子供の健康状態にまで影響が及ぶことがあるというのです。厚生労働省の資料も見てみると。

日本の出生時の平均体重は最近40年の間に男女とも200g減少しており2500g未満で生まれる低体重児の数は平成25年には男児で8.5%、女児で10.7%まで増加していて、約2倍の数字となっています。出生体重の平均値は、その国の経済状況を反映していると言われています。経済的にまだ恵まれている日本で低出生体重児の割合が異常に高い状態が続いている状況は、世界的にも得意な兆候と言われていて日本特有の問題ということになります。理由としては女性の痩せ願望、妊娠中のカロリー不足です。痩せて妊娠すると早産や出生体重の低下が起こりやすくなり、ある研究結果では妊婦さんの一日のエネルギー摂取量は全経過を通じて、1,600〜1,700kcalに留まっていました。妊娠末期の必要なエネルギー量は一日約2500kcalなので驚くべき低栄養状態です。中には1000kcalという飢餓に近い状態の人もいたそうです。「低体重で生まれた子どもは、心筋梗塞、2型糖尿病、メタボリック症候群、脳梗塞、脂質異常症、精神発達異常、骨粗しょう症などの生活習慣病の発症リスクが高いと分かってきました。

冠動脈疾患発症リスクを表している図

4,000g以上で生まれる赤ちゃんのリスクを1とすると、2,500g以下で生まれる赤ちゃんが将来狭心症や心筋梗塞になるリスクは3.63倍ということになります。ハウス食品が2018年に調べた調査では83%の子どもに、新型栄養失調のリスクがあるという結果が出てます。日常的に3食しっかりと食べている6~8歳の子どもをもつ母親を対象に、直近3日間に子どもが食べた料理の食材と分量について調査を実施したということで、3%の子どもが「炭水化物」や「たんぱく質」「脂質」の三大栄養素は必要量を摂取できているものの、三大栄養素の働きを調整し助ける役割を果たす栄養素「ビタミン」、「ミネラル」、「食物繊維」をあまり摂取できていないことが分かりました。

対策と不足しがちな栄養素の例

新型栄養失調の対策は、バランスの良い食事が大事です。朝面倒で朝食を食べない、好きなものばかり食べていて野菜を取らなかったりするのはやはり良くないです。体の中の栄養のバランスを適度に蓄えていくのが大事になるのです。不足しがちなタンパク質、ビタミン、マグネシウム等は特に大事です。

  • タンパク質

筋肉、臓器、骨、歯、皮膚、血液等あらゆる細胞の材料はタンパク質です。筋肉や臓器などの器官も毎日作り替えられていて体からタンパク質が失われています。タンパク質が不足すると皮膚や骨が弱くなり怪我をしやすくなったり貧血の心配、体の治りが遅くなったりします。肉や魚、大豆製品、卵、乳製品等がタンパク質源になる食べ物になります。タンパク質は日々失われていますので習慣的に摂取したいです。

  • マグネシウム

マグネシウムが不足すると筋肉の不調、骨の不調、心の不調、心筋梗塞等のリスクが高くなると言われています。マグネシウムは体がストレスを受けると消費されて尿中に排出されてしまう、インスタント食品を過剰に摂取すると体の中のマグネシウムの排出量を増加させてしまいます。魚類、野菜類、豆類、海藻類、ナッツ等がマグネシウムが多く含まれています。意識して食べてみてください。

  • ビタミンA、B1

日本人に足りていない栄養素としてビタミンB1とビタミンAを挙げる専門家もいます。ビタミンAは視覚の正常化、皮膚や粘膜の健康維持に貢献するほか、ガンの発症を抑えるのにも有効だと言われています。またビタミンAが不足すると糖尿病を発生するリスクが増すという研究結果もあります。ビタミンAを多く含む食べ物としてレバー類や魚介類から効率的に摂取できます。バターや卵黄など一回に食べる量が少ない食品でも、意識して料理に取り入れることでビタミンAの摂取量を増やすことができます。

まとめ

  • 新型栄養失調というのは現代人特有の栄養失調のことで、現代人の健康障害です。
  • 偏った食生活が原因で起こり栄養バランス、栄養素が不足してしまっている。
  • 年代別に新型栄養失調の症状も変わっていること。
  • 偏った食生活を改善し必要なものを取ること。
  • 自分の身は自分で守ること。

それではまた。

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