日本には昔から多くのサブリミナルCMが放送されているのはご存知でしょうか?
日本で最初にサブリミナルCMを出したのは、1958年に放送されたライオン油脂(現在のライオン)の「フィードバック・シャンプー」のCMだと言われています。このCMでは、1/3000秒程度の短い時間に「ハゲ」という文字が表示されていました。このCMに対して、視聴者からの苦情が相次いだことから、その後、サブリミナル広告の使用が規制されることになりました。
と言うように本当なのか嘘なのか分からない話があります。
信じるか信じないかはあなた次第・・・
今回はそんなサブリミナル効果について見ていきましょう。
サブリミナル効果とは?
人が意識していない情報が無意識のうちに影響を与える現象のことです。
つまり、人が気づかないような情報や刺激が、その人の行動や感情に影響を与える可能性があるということです。
例えば、テレビ番組や広告で瞬間的に表示される文字や画像などの情報は、人が気づかないレベルで脳に伝わることがあります。
これらの情報が、人の意識に届かずに無意識のうちに認識されることで、その人の行動や意見に影響を与えることがあるとされています。
日本でサブリミナル効果を使ったCMが報じられた背景について
日本でサブリミナル効果を使ったCMが報じられた背景には、1960年代から1970年代にかけてアメリカで流行した「隠れたメッセージ」ブームが影響しています。
この時期、一部の広告業界やマーケティング関係者たちは、サブリミナル効果を使った広告が消費者に与える影響を研究し、広告効果を高める手段として注目しました。
その後、1962年にアメリカの映画館で上映された映画にサブリミナルメッセージが挿入されたとの報道があり、社会問題化しました。
この事件を契機に、アメリカではサブリミナル効果を使った広告が規制されるようになりました。
日本でも、1970年代に入り「隠れたメッセージ」ブームが広がったことから、サブリミナル効果を使った広告が注目されました。
当時、テレビCMが爆発的な人気を誇り、CMの放映枠も増加したため、サブリミナル効果を使った広告が出回ったと言われています。
しかし、アメリカでの規制が影響して、日本でも1974年に公正取引委員会によって「サブリミナル広告の禁止に関する公正取引委員会勧告」が出され、サブリミナル効果を使った広告は禁止されるようになってしまったのです。
嘘か本当か?日本で放送されたとされる、サブリミナル効果を使ったとされるCM
嘘か本当かは分かりませんが今回は日本で放送されたとされる、サブリミナル効果を使ったとされるCMの事例10個について紹介したいと思います。
- 資生堂「トリートメントシャンプー」(1990年代)
このCMには、女性が髪を洗っている映像に合わせて、フラッシュで”美しくなれ”というメッセージがわずかに表示されていたとされています。このCMが放送された当時、サブリミナル効果の使用が問題視され、放送禁止になったとされています。
- サントリー「BOSS」(1990年代)
このCMでは、黒人男性がジャズを聴きながらコーヒーを飲んでいる様子が描かれていました。この映像に合わせて、”SO BOSS”というメッセージがわずかに表示されていたとされています。このCMは、サブリミナル効果の使用が問題視されたことで、放送禁止になりました。
- ソフトバンクCM(2000年代)
このCMに出た男性が目をつぶり、静止画の犬の写真が一瞬だけ表示された後、目を開けると犬がいなくなっているというシーンが描かれていました。このCMには、サブリミナル効果が使用されているとの指摘があったものの、問題視されることはありませんでした。
- TBC「ナノミスト」(2000年代)
このCMの男性が“今すぐ買うべき”という言葉を繰り返している間に、商品名である「ナノミスト」がフラッシュで表示されていたとされています。このCMには、サブリミナル効果が使用されたとの指摘があったものの、問題視されることはありませんでした。
- 大塚製薬「ポカリスエット」(2000年代)
このCMは、ポカリスエットのCMの中でも有名なもので、若い男性が裸になって身体を拭いたり、植物に水をかけるシーンが映し出されるものでした。このCMの中には、裸になった男性の脇から見える胸の部分に、一瞬「SEX」という文字が表示されたとされています。
- ロート製薬「メンソレータム」(2000年代)
このCMは、顔の痛みやかゆみを和らげる目的で販売されている「メンソレータム」のCMで、一人の男性が何度も鼻をかむというシーンが繰り返し映し出されます。そして、一瞬だけ「脳内麻薬」という文字が表示されるシーンがあるとされています。
- 小林製薬「ドライアイ」(2000年代)
このCMは、目の乾きや疲れを和らげる目的で販売されている「ドライアイ」のCMで、女性が涙を流すシーンが映し出されるものです。このCMの中には、女性の目の中に「恋」という文字が一瞬だけ表示されるシーンがあるとされています。
- ユニリーバ「アイスボックス」(2000年代)
このCMは、アイスクリームのCMで、一人の女性がアイスクリームを食べるシーンが映し出されます。そして、その中にアイスクリームの上にのっているベリーが一瞬だけ、女性の唇に接触するような映像が挿入されるとされています。
- 三共製薬「セデス」(2000年代)
このCMは、頭痛を和らげるための薬「セデス」のCMで、黄色い壁に「イライラ」という文字が現れるシーンがあるとされています。また、このCMの中には、一瞬だけ「気分が楽になる」という文字が表示されるシーンがあるとされています。
- ソフトバンク「白戸家」シリーズ(2000年代)
「白戸家」シリーズは、2007年から2011年にかけて放送されたソフトバンクのCMシリーズです。このCMシリーズには、複数のサブリミナル効果が使われているとされています。
例えば、「白戸家のお父さん」が電話をしているシーンでは、背景に「お前は助からない」「くたばれ」といった文字列が表示されていると指摘されました。また、別のシーンでは、女性の服を着た男性が背景に映っており、これが男性視聴者に不快感を与える効果があるとも言われました。
これらの報道を受けて、ソフトバンクは「意図して表示したわけではない」として謝罪し、同社広報担当者が辞任する事態に至りました。また、この問題を受けて、総務省はサブリミナル広告に関する通知を改定し、より厳格な規制を定めました。
サブリミナル効果を使ったCMの問題点や批判、現在の規制について
サブリミナル効果を使ったCMには、以下のような問題点や批判があると言われています。
- 消費者に影響を与える可能性がある: サブリミナル効果を使ったCMは、消費者の無意識に働きかけることができるため、消費者に意図しない影響を与える可能性があります。
- 倫理的問題がある: サブリミナル効果を使った広告は、消費者が意図しないメッセージを受け取ることになるため、広告主が消費者に対して不正な手段を使っているとの批判があります。
- 科学的根拠が乏しい: サブリミナル効果が人間に与える影響については、科学的な研究がまだ不十分であり、効果があるとされる研究結果にも疑問が呈されています。
現在、日本ではサブリミナル効果を使った広告は、公正取引委員会によって禁止されています。また、放送倫理・番組向上機構(BPO)が制定した「放送における人権尊重のための自主基準」にも、サブリミナル効果を使った広告が禁止されています。
しかし、インターネット広告などの非放送広告においては、規制が難しいため、サブリミナル効果を使った広告が出回ることもあるとされているのです。
まとめ
消費者に対して公正で正確な情報を提供することが、広告業界の重要な役割ではないかと思います。
広告が消費者の無意識に働きかけることで、消費者が自分の意志で選択をすることができなくなってしまうような状況は望ましくありませんよね。この点については、規制が必要だと思います。
しかし、新たな技術が開発されることによって、サブリミナル効果を使った広告を防止することが難しくなっているということもあります。今後は消費者にとって不利益となる広告に対して適切な監視や、科学的な研究を進めることが必要なのかもしれません。
消費者が広告に惑わされないように、常に正確で公正な情報に基づいて選択をすることは重要です。
広告業界には、消費者の信頼を得るために、公正で正確な情報、行動をとることがとても大事だと思います。
サブリミナルCM他にも多くありますのでまた紹介したいと思います。
以上、嘘か本当か?「広告の裏側に潜む心理効果:日本で放送されたとされるサブリミナルCMの事例」①、を書かせてもらいました。
サブリミナル関連です。
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