はじめに
今回は17歳にして世界一になり、2010年8月には「最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネス・ワールドレコードに認定された職業、プロ格闘ゲーマー『梅原大吾』さんの書かれた「勝ち続ける意思力」を書いていこうと思います。
「勝ち続けるために必要なことは何か?」「多くの人が勝ち続けられない理由はなんなのか?」という話を書かれています。
ゲームの世界だけでなく他の世界でも必ず前進できることに役立つ方法が載っているのでみていきましょう。
背水の逆転劇
『梅原大吾』を伝える上で絶対に書かなければいけない、理解してもらいたい、見てもらいたい動画があります。
「アンビリーバブル・・・」当時の映像にはそんな言葉が残っている。
2004年の夏、カリフォルニアで行われた一年に一度の世界最大にして最高峰の格闘ゲームの祭典「Evolution 2004」に参加をしていた『梅原大吾』。全世界の格闘ゲームファンが注目する大会であり、チャンピオンの座が争われた大会。
そこでの準決勝、アメリカ最強と言われる『ジャスティン・ウォン』と対戦になる『梅原大吾』、事実上の決勝戦であるバトルが後に人々から「背水の逆転劇」・「37秒の奇跡」と呼ばれることになる一戦となったのです。
最終ラウンドで追い詰められており、一発でもダメージを受けたら負けてしまう危機的状況。『ジャスティン』を応援する声が会場に響き渡る中冷静でいる『梅原大吾』。必殺技の連続キックを放ってきた敵に対して、全ての攻撃を防ぎこちらの超必殺技を叩き込み大逆転と言える展開で相手を倒す。
この時『梅原大吾』は会場のざわめきは全く聞こえていなかったらしい。ゲームが終わり冷静になった時にようやくざわめきが耳に届いたと本人は語っています。世界大会という場でこの神プレイをできる人はこの世に何人いるのでしょうか?
「勝つこと」「勝ち続けること」の違いとは?
この本は「勝ち続ける」ことに主眼を置いています。
なぜ「勝つ」ではなく「勝ち続ける方法」なのか?両者は似ていますが意味として全く変わってきます。
「勝つ」とは言い換えると「結果を出す」という言葉になります、「勝ち続ける」を言い換えると「結果を出し続ける」となります。
結論を言うと、勝つことに執着している人間は勝ち続けることができないのです。
あなたはゲームの対戦でこの闘い「勝つ」ことができますか?と問われれば頷くことができるかもしれません。しかしゲームの対戦でこの闘い「勝ち続けること」はできますか?と問われたら返答に困ることでしょう。
『梅原大吾』は「勝ち続けられるか?」と言う問いに「YES」と迷うことなく答えることができると言います。
勝ち続けるための答えを見つけたのです。
勝ち続けるにはどうすれば良いのか?
- 精神状態を保つ
勝ち続けるためにはどの勝負においても、勝っても天狗にはならず、負けても卑屈にならないという絶妙な精神状態を保つことです。
どの勝負においても真摯に向き合い続ける気持ちが大切になってきます。
バランスを保つ方法は人それぞれですが、『梅原大吾』は自分も相手も人間であるという事実を忘れないようにすることと言われています。
1人の人間がやるべきことをやり、もう1人の人間に勝った。当たり前のことをやり続けた人間が、今回に限って勝てたと言うことは忘れてはいけないのです。勝ちが続けば自分はすごいと勘違いをする、負けが続けば自分はダメなんだと落ち込む。しかしそうではないです。
結果はその時だけのものであり、どう受け止めるかでその後の歩みは変わってくるのです。
他の人に責任を転嫁する、相手が強かったと諦める、色々考えることもあるでしょうが感情に流されるのではなく、事実を受け止めることが大切です。
- 簡単に勝てる方法は使わない
どの対戦ゲームにおいても強い戦法というのは存在します。これを使えば最強ではないが初心者でも誰でも勝てる確率が上がる戦法です。
しかしそんな戦法意味があるのでしょうか?答えは意味は無いです。
その方法はその瞬間では誰にでも効果があるかもしれませんが、その戦法がみんなに知れ渡ると死に技になってしまいます。
誰にでも使える楽な方法に頼ってしまうと、他の方法は試しませんし自分の可能性を潰してしまいます。
- 全ての可能性を試している
可能性は無限大です。全ての可能性を試し自分の幅を広げているのです。
対戦ゲームでもなんでもそうですが、一つのやり方ではなく何十通り何百通りの勝ち方があります。
そんな面倒なことをせずに簡単に勝てる方法を使う人もいるでしょう。それは成長することが無いです。
簡単に勝てる道を選んだ人の強さは最大10までですが、可能性を試して試行錯誤している人は10を超えて、11、12、13と高みに上がっていくことでしょう。
99.9パーセントの人は勝ち続けられない
「勝ち続けるには」の説明をしましたが、勝ち続けられる人はほぼいないと思って欲しい。
全ての可能性を試すことは全ての道を通るということであり、その道は行き止まりの可能性もあります。行き止まりにばかり当たると負け続ける、結果が出ないから馬鹿にされる、「楽な戦略の方が勝てるのに」、「無駄な努力」と散々なことを言われてしまいます。
結局、周りの人間は結果のみで評価するのです。精神状態を保つのも難しいでしょう。
バランスを崩すことなく全てのことに向き合い、真摯に取り組み、常に結果を残す。その工程を考えるとやはりほとんどの人は勝ち続けることはできない。常に勝ち続けるのは至難の業であると思って欲しい。
変化なくして成長なし
- 勝ち続けるには「変化し続けること」
「昨日と同じ自分でいたい」ではない。「昨日と同じ自分でいない」です。この意識は自分をとても成長させると言います。
多くの人は変化が怖くて毎日同じことを繰り返してしまいます。同じ勉強法、同じ働き方、同じ日常生活。
だがそれでは勝ち続けることはできません。変化なくして成長なし。成長するには常に自分を変えようとする意識が求められるのです。
勝ち続けるには「変化し続けること」なのです。
- 日々、小さな変化をする
変化をするというのはどれくらいの変化か?
ゲームだと攻め方、守り方等。日常生活ならばいつもより朝5分早く起きる、いつもと違う帰宅路を歩いてみる等・・・。
苦手なことに取り組むことも良いことです。苦手なことに積極的に取り組むことで、自分の皮が剥けて成長することもできるかもしれない。
自分の小さな変化の体験を増やしていくことで、前よりも視野の広くなった自分に気づくことができるでしょう。
- 考えることをやめない
勝ち続けるためには考え続けることが大事です。すぐに答えが見つからなくても、時間をかければ必ずいい答えに巡り会えます。
周りの友達や知り合いの何気ない発言が最高のアドバイスになり得ます。
- 変化してみてダメだった場合
道を進んで行き止まりにあたったということです。その時は引き返して違う道を進めば良いのです。
この道は自分にはダメだったということが分かるだけでも変化であり成長しているのです。
何度も何度も小さな変化をし続けることで成功と失敗を繰り返します。
体験を積んでいくことで必ず今より高みに行くことができます。
『梅原大吾』も自身の経験から「ただ変え続けるだけ」で最終的には今より必ず高みへ行くことができると断言しています。
人の目は気にするな
- 一般的なレールの上を走るな
人の目や世間体を気にする人が多すぎると語ります。これは自分も思います。他人に縛られすぎです。
最低限のマナーと相手を敬う気持ちは大切ですが、自分の人生にそれほど影響のない人の気持ちまで気に掛けていたら自分らしい振る舞いはできないでしょう。
人の目を気にしすぎる人は結果がなかなか出ないです。なぜかというと失敗を避けるようになるからです。
変化には失敗が当たり前です。しかし必死な姿を見られるのが格好悪い、「あんな努力意味ないでしょ」みたいな他人の言葉に耐えられないのです。
気にしなくてもいいのは分かっているが、常識が邪魔をして一般的なレールの上を走ってしまうのです。
結局今だけ勝てる楽な道を選ぶことになってしまうのです。逃げてしまいます。
諦めなければ結果が出るとは言い切れないが、努力を続けていればいつか必ず人の目は気にしなくなります。
勝ち続けるためには人の目を気にしてはいけないのです。
- 他人の目を気にしないようにする方法
心を閉ざし集中力を高めることです。他人の声は雑音と考え耳栓をして自分のことだけに集中します。
他人の目をいかに排斥し、自分自身とどれだけ深く向き合おうとするかを大切にすることで集中力を高めていくのです。
目標と目的の違いとは?
目標とは「どのようにして達成するか」を表し、目的とは「何を達成するか」を表します。
持続可能な努力のためには、目標はあくまでも目標で、目的と混同してはいけない。
『梅原大吾』は過去にかなりの高額賞金が出るゲーム大会に出たことがあります。試合に勝つことだけを目的とした練習を行い、結果は惨敗だったそうです。賞金目当てで頑張ってきたから試合ではとにかく緊張をして、負けたくないとビクビクしながら戦っていたので、相手の圧に押されて本来の実力を全く出せなかったそうです。
誰にも負けないと思えるほど練習してきた自負があれば、どんな相手にも気持ちで負けることはない。しかし賞金目当てで頑張ってきただけの人間の気持ちは驚くべきほど弱い。そのことに気づき目的を見誤ってはいけないと痛感したそうです。
大会における勝利は目標の一つとしてはいいかもしれないが、目的であってはいけない。
勝つことより成長し続けることを目的と考えるようになったのです。
目標に囚われすぎて、それが目的になってしまうと結果はついてきません。
目的は成長続けること
大会を一つの目標と考え、自分自身の成長を目的と決めてから大会の結果にあまりこだわることはなくなったと言います。
勝っても負けても常に同じ努力を継続し続けること、結果によって努力の量が変わることはあってはならない。
勝ち続けるためには調子の良い時も悪い時もやるべきことを常にやり続ける。
成功に囚われてはいけません。成長に囚われるのです。
目的を見失わないように日々成長をし続けることが大事なのです。
まとめ
結論を言うと、勝つことに執着している人間は勝ち続けることができません。
勝ち続けるにはどうするべきか、ほとんどの人は勝ち続けることはできない、変化なくして成長なし、人の目は気にしない、目標と目的の違い、目的は成長を続けること。
これを全て理解して実行できる人が、「勝ち続けることできる」0.01%に入ることが出来るのでしょう。
しかし入れないわけではありません。誰しもが可能性はあります。
目標と目的の違いをしっかり理解し、日々変化を求め成長し努力をする。
そうすることで新しい自分に会えるのだと思います。
以上、この本は読んでおけシリーズ 「勝ち続ける意思力」変化なくして成長無し、目標と目的の違いは?を書かせてもらいました。
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